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製造原価明細書

2014年03月26日

グレーライン

金融庁は2014年3月26日、財務諸表等規則の改正を発表しました。
改正の主眼は「単体開示の簡素化」です。
そこで少し気になったのが、新規則第75条2項の以下の改正点です。
「前項第2号の当期製品製造原価については、その内訳を記載した明細書を損益計算書に添付しなければならない。 ただし、連結財務諸表において、連結財務諸表規則第15条の2第1項に規定するセグメント情報を注記している場合は、この限りではない。」
この改正の適用は2014年3月期決算からです。

■製造原価明細書が開示から消える?
製造原価明細書(Cost Report : C/R)が開示から消える?と、直感的に思いました。
もちろん、連結財務諸表においてセグメント情報を注記していない会社にとっては依然として(親会社単体情報としての)開示が必要ですが、少数派です。
IFRSの任意適用企業や米国基準での作成が認められた会社がそれぞれの基準により作成した連結財務諸表でセグメント情報を注記している場合も、国内開示での製造原価明細書の作成は免除されます。
ちなみに、IFRSや米国基準において、C/Rの開示は要求されていないそうです(そもそも個別財務諸表の添付が不要)。

C/Rって、誰が何のために使うのだろうか?
そもそも改正発表から1週間もない決算期から適用可能って、C/Rの立場って世間的にどうなの?
と思ってしまいます。

■C/Rの意義
C/Rは、当期製品製造原価の内訳を材料費・労務費・経費・期末棚卸高等の形式で詳細表示することで、製造活動内容を計数化報告するものです。
財務諸表利用者としては、労務費の比率が高すぎないか?、とか、期末棚卸高が多すぎるのでは?などと、同業他社間や期間比較することができ、将来の投資予測などに役立てることができます。

■消えゆくC/Rの現状
現代のように、経営多角化が進み、単一業種での経営では大企業を営むことが出来ないような時代では、投資判断等においてC/Rはそれほど重要ではないと思います。
そもそも連結製造原価明細書の開示が元々要求されていないのは、多業種のC/Rを合算しても意味が無いという意図で、親会社単体でも単一業種(セグメント)ではない現代においては、投資判断等における存在価値が薄れています。
今回の改正で、これまで以上にC/Rを目にすることが少なくなることと思います。
ただし、単一業種の立場(例えば、大企業の某工場長など)から見ると、C/Rの前年比等は極めて重要で、社内管理資料としては永遠に受け継がれていくと思われます。

■製造原価明細書?製造原価報告書?
元々は、戦前に存在していた財務諸表準則で「製造原価報告書」という名称が使われていました。
戦後、財務諸表等規則が制定され、「製造原価明細書」と名が改められました。
名称は、いずれを使用しても間違いではありませんが、開示上は現規則の名称「製造原価明細書」を使用します。

〜 最後に 〜
そういえば、昔、「原価計算基準」(企業会計審議会、中間報告)なんてものがあったな。と思い、C/Rの事が載っているか調べてみたのですが、載ってませんでした。
元々は、戦時中の軍需品調達のために所轄官庁へ提出するために財務諸表準則で細かく規程されていたのですが、現在ではその表示方法などについての詳細規定はないようです。



Written by A.Y

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