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マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策が会計処理に与える影響

2018年05月28日

グレーライン

日本銀行は、2016年(平成28年)1月に、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の決定をし、同年2月より、金融機関が保有する日本銀行当座預金の一定範囲にマイナス金利の適用を始めました。その後、今日に至るまで、LIBORや国債の利回り等で、マイナス金利が継続観察されています。 企業会計上に至っては、金利の影響が及ぶ会計処理につき、企業会計基準委員会(ASBJ)から実務対応報告の公表等により、対応方針が示されています。


以下は、会計処理上、当マイナス金利の影響が及ぶ範囲をまとめています。 言うまでもなく、会計処理に金利を利用する意味としては、将来発生が予見される金銭(Cash)の動きを要素とし勘定科目等の額を決定する際に、将来発生の金銭にかかる時間的価値につき、金利を用いて評価したものを用いようとすることを言い、この評価額は金銭の大きさとは別に金利によっても変動することとなります。 このようにまとめてみますと、前回取り上げた退職給付債務における「利回りの下限としてゼロを利用する方法」の容認は、むしろ例外であることが判ります。なぜそのような違いが生じるのかにつきましても、あくまで筆者の考えによるところではございますが、論点としてまとめておりますので前回コラムと合わせご参考にしていただければと存じます。 私共、会計ソリューション業務に携わる立場においても、この範囲、及び取り扱いはしっかりと把握しておく必要があり、しばらく続きそうな低金利環境での取り扱いのみならず、金利変動に対する影響を適切にコメントできるようにしておきたいところです。


金利影響要素 時間的価値の評価対象 使用金利(割引率) マイナス金利への対応 左記に至る論点
固定資産等の減損判定 回収可能価格としての将来のキャッシュ・フロー 加重平均資本コスト(自己資本コストと他人資本コストを加重平均して算定)※自己資本コスト算定に採用される資本資産価格モデルは、一般に国債の利回りを採用 「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」 自己資本コストの算定において資本資産価格モデルが多く採用され、その変数として一般に国債の利回りが採用市場参加者の期待収益率である実態がマイナスである以上そのまま使用すべきとの主張
退職給付債務 将来給付 安全性の高い債券の利回り(国債、政府機関債及び優良社債の利回り) 「利回りの下限としてゼロを利用する方法」or「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」 実務対応報告第37号「実務対応報告第 34 号の適用時期に関する当面の取扱い」の公表がベース
資産除去債務 将来の固定資産の除却に必要な費用 上記と同様 「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」 現金保有の価値、年金資産との整合といった退職給付特有のゼロ金利妥当論は当てはまらないとの主張
市場価格のない金融商品 対象金融資産から発生するリスク調整後の将来キャッシュ・フロー 上記と同様 「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」 金融商品という性質上、市場参加者の期待収益率がマイナスである以上、現在価値が割増計算されるべきとの主張



Written by M.H

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