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連結における在外子会社等の処理に関する当面の取扱いの改正案

2018年06月20日

グレーライン

企業会計基準委員会(ASBJ)により、2018年(平成30年)5月28日に、実務対応報告公開草案第55号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」、および実務対応報告公開草案第56号(実務対応報告第24号の改正案)「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」が公表されました。
本実務対応報告は、連結財務諸表作成上の原則として「連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社及び子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない(連結会計基準第17 項)」とされている中、当面の間の会計処理措置が示されているものであり、幾度と修正経緯を経て、今般もその一環として公開草案が示されています。 実務対応報告第18号では、在外子会社の財務諸表が所在地国において公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されている場合、連結決算上の利用を認めていますが、一方で、重要性が乏しい場合を除き、在外子会社の数項目(以下「修正項目」)の会計処理につき連結決算手続上修正することを求めているものです。
そして、今般の第18号改正案では、上記重要性の観点から再検討が行われ、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を修正項目として追加することを提案しています。
これら修正項目については、当期純利益を測定する上での費用配分、当期純利益と株主資本との連携及び投資の正確に応じた資産及び負債の評価等、我が国の会計基準に共通する考え方と乖離するものであり、修正なしに連結財務諸表に反映することは合理的でないとの考えに基づいています。
なお、第24号改正案では、持分法適用関連会社の取扱いについても、第18号改正案に準ずることとしています。
以下、筆者私見でではありますが、当修正項目につき、第18号改正案設例に基づく事例を踏まえ、以下にまとめてみました。
なお、同公開草案の適用時期は「2019年(平成31年)4月1日以降開始する連結会計年度の期首」からと提案されています。ただし、「今般の2018年(平成30年)改正実務対応報告の公表日以後最初に終了する連結会計年度及び四半期連結会計期間」において早期適用できる等の取扱いも併せて提案されています。
企業活動のグローバル化が進む中、海外子会社財務諸表だけではなく、それを構成している会計処理についても注視が必要になると思うものです。


連結財務諸表作成上における在外子会社等の会計処理上必要な修正項目のまとめ

修正項目 関連IFRS基準 在外子会社の
会計処理(例)
連結決算
手続上必要な
修正(例)
適用実務対応報告
のれんの償却 IFRS基準第3号「企業結合」 のれんの規則的償却は行わず減損判定のみ行っている 計上後20年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法等により規則的に償却し費用計上する 実務対応報告第18号で既に規定
退職給付会計数理計算上差異の費用処理 IFRS基準第19号「従業員給付」 数理計算上の差異は費用処理せず、その他包括利益で認識し、利益剰余金としている 数理計算上の差異の費用処理期間を定め、退職給付費用として費用計上する 実務対応報告第18号で既に規定
研究開発時の支出時の費用処理 IFRS基準第28号「無形固定資産」 無形固定資産に計上し、5年の定額処理により償却している 「研究開発費等に係る会計基準」の対象となる研究開発費として@支出時に一括費用計上A在外子会社規則償却処理の戻入 実務対応報告第18号で既に規定
投資不動産の時価評価 IFRS基準第40号「投資不動産」 投資不動産の時価評価をして、減価償却は行っていない。売却時には時価評価額と売却額の差額を売却損益とする @時価評価の戻入による取得原価への修正A正規の減価償却手続きによる費用計上B売却損益も同減価償却反映後簿価に基づくものに修正 実務対応報告第18号で既に規定
資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他包括利益に表示する選択をしているしている場合の組替え調整 IFRS基準第9号「金融商品」 投資有価証券の時価評価額を「その他包括利益」に計上し、売却時も売却損益は計上しない。 @公正価値の事後的な変動を「その他包括利益」表示から「投資有価証券評価損」に振替A以降同額分の「その他包括利益額」から「利益剰余金」への振替B売却時には「その他包括利益」から「投資有価証券売却損益」に振替 実務対応報告公開草案第55号で新たに追加規定



Written by M.H

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